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筆先に込める平和への思い 広島 原爆死没者記帳始まる

 広島市は11日、原爆死没者名簿の記帳を始めた。昨年8月6日以降に亡くなったり死亡が確認されたりした広島原爆の被爆者の名前を書き加え、8月6日の平和記念式典で原爆慰霊碑の石室に納める。

 市が新たに確認した死没者は2873人。ともに被爆者で元市職員の池亀和子さん(72)=南区=と中本信子さん(71)=同=が記帳を担う。初日は中区地域福祉センターで作業。2人は手を合わせた後、名前、死亡年月日、年齢を筆で丁寧に記していった。

 14年連続で担当する中本さんは「知人や平和活動をしてきた人も亡くなり寂しい。核廃絶と平和への思いを込めて書く」と話した。2人は今後、自宅などで記帳を続ける。

 昨年8月5日までに記帳された被爆者は28万6818人で103冊に上る。「氏名不詳者多数」とだけ書かれた1冊と、長崎で被爆し遺族が記載を希望した9人の名簿も1冊ある。

 記帳の申請は式典前日の8月5日午後5時まで受け付ける。市原爆被害対策部調査課Tel082(504)2191。(西村萌)

(2014年6月12日朝刊掲載)

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