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核保有 英仏も初参列 各国代表「大きな前進」

■記者 加納亜弥、馬上稔子

 広島市中区の平和記念公園で6日にあった平和記念式典には、原爆を投下した米国のジョン・ルース駐日大使や、核兵器を保有する英国とフランスの代表が初めて参列した。各国代表は、過去最多の昨年を15カ国上回る74カ国に達した。「核兵器のない世界に向けた大きな前進だ」―。核兵器保有国の参加に評価の声も相次いだ。

 核保有5大国では中国だけが欠席。英国のデイビッド・フィットン臨時代理大使は「参加は米仏と相談して決めた」と明かし、「核不拡散や核軍縮のムードは高まりつつあり、今が参加の時と判断した」と語った。

 フランスのクリストフ・プノ臨時代理大使も「全員が出席することで、核軍縮を誓う姿勢を示すことが大切」と同調。ロシアのヴラジーミル・ナボーコフ1等書記官は「65年目に核兵器保有国の代表が参加して本当にうれしい」と話した。米国のルース大使は、核兵器のない世界を目指す姿勢を示すコメントを出した。

 米国が核実験を繰り返したマーシャル諸島のジバ・カブア大使は「核兵器の恐ろしさは身をもって知っている。廃絶に向け日本と協力できる」。民族紛争の傷が残るコソボのサミ・ウケリ大使は「長く続く平和がいかに大切なものか。米国の参加は、核兵器のない世界に向けた同意を築きたい、との思いの表れだ」と期待した。

 式典後には49カ国の73人が、被爆者の松島圭次郎さん(81)=佐伯区=の証言を聞いた。

(2010年8月7日朝刊掲載)

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