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加藤登紀子が平和祈る歌声 中沢啓治さんの詩を曲に 25日シングルリリース 広響と来月コンサート

 歌手加藤登紀子が25日、漫画「はだしのゲン」の作者、故中沢啓治さんの未発表の詩を曲にしたシングルCD「広島 愛の川」をリリースする。川から海へと流れる水のように、平和への思いを広げようという中沢さんのメッセージを、オーケストラの演奏に乗せて壮大に歌う。7月27日には、広島市中区での広島交響楽団とのジョイントコンサートで披露する。

 作品は、詩に感銘を受けた東京在住の作曲家がメロディーを付け、中沢さんがファンだった加藤に届けられた。加藤は「シンプルな詩が曲に乗ることで、より深い思いになっている。詩と曲の奇跡の巡り合わせ」と自ら歌うことを熱望。「歌うほど気持ちが高まる」と手応えを感じている。

 カップリング曲は「語りヴァージョン」として、加藤が「はだしのゲン」の作品中の言葉を抜き出して再構成。核時代の始まりや今なお続く放射線被害の怖さを切々と訴える。「中沢さんの世界をより強く感じてもらいたかった」。ジャケットは、ゲンのイラストにした。

 広響との「愛と平和のコンサート」は金聖響が指揮。「愛の川」のほか、代表曲「知床旅情」や「百万本のバラ」、中森明菜に提供した「難破船」などを予定する。「オーケストラをバックに歌うのは、大きな翼の上に乗る感じ。歴史の重み、自然の雄大さを表現したい」と心待ちにする。

 広島文化学園HBGホールで午後2時半開演。S席7500円、A席6500円ほか。サモンプロモーション、フリーダイヤル(0120)499699。(藤村潤平)

(2014年6月14日朝刊掲載)

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