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被爆者の思い心に刻む 広島 高校生平和大使が研修

 核兵器廃絶を国内外で訴える本年度の「高校生平和大使」の事前研修が14日、広島市中区であった。全国から選ばれた21人が被爆者の証言を聴き、原爆資料館を見学。15日の結団式に向け、世界平和に力を尽くす思いを強めた。

 広島県の2人に加え、長崎県、福島県など12都道県から19人が参加。アステールプラザで顔合わせをした後、12歳の時に学徒動員先の鶴見町(現中区)で被爆した池田精子さん(81)=安芸区=と対面した。

 顔に大やけどを負い、15回の手術に耐えた池田さん。「一時は死も考えた。父や母の愛に支えられ、必死に生きた」と語り、「広島を学び、平和のため行動してほしい」と激励した。

 一行は原爆慰霊碑に花を手向け、原爆資料館を訪れた。福山市の大門高3年中村祐理さん(17)は「核兵器がある以上、この世界は平和と言えない。被爆者の思いを受け継ぎ、発信していく責任を感じた」と力を込めていた。

 高校生平和大使は長崎県の市民団体が1998年に始め、全国に活動が広がった。広島でも活発化し、ことしは初めて広島市内で研修と結団式をする。平和大使は8月、スイス・ジュネーブの国連欧州本部を訪ねるほか、署名活動や平和学習に取り組む。(田中美千子)

(2014年6月15日朝刊掲載)

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