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第41連隊歌の楽譜発見 福山の有志 元隊員に確認 CD制作

 福山市の陸軍歩兵第41連隊の歴史を調べている市民有志が、連隊歌の楽譜を見つけた。楽譜に題や歌詞がなかったため市内の99歳の元隊員に歌ってもらい確認した。有志の知り合いの音楽家の歌でCDに収録した。

 連隊歌は満州事変の1年前の1930年に作られた。「安芸広島に初声(うぶごえ)を揚げし我等(われら)が連隊の」で始まり、鞆や尾道など備後の地名が登場する。「重き任務を果(はた)さばや」と隊員を鼓舞するフレーズもあり当時の雰囲気を醸し出す。

 連隊史料を集める市議の大田祐介さん(46)が昨春、約20年前の戦友会会報誌から楽譜を発見。連隊歌の楽譜ではと考え、5月、水呑町の元隊員宇田宗一さん(99)に連隊歌を歌ってもらい、メロディーが一致した。歌詞は別の記録から分かっていた。

 宇田さんは「共に歌った仲間はもうほとんどいない。当時の厳しさを思い出す」と振り返る。次女千代子さん(62)は「父はいつも平和の大切さを言って聞かせてくれた。歌が歴史を伝える材料になれば」と話す。

 CDは100枚制作。1枚千円で売る。収益を台風被害に遭ったフィリピンの支援に充てる。問い合わせは小川博之さんTel090(1680)8700。(久保友美恵)

(2014年6月17日朝刊掲載)

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