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原爆被害者の会 存続方向 岩国 理事会「前向き協議」

 会員の高齢化を背景に存廃問題が浮上した岩国市原爆被害者の会(272人)は16日、岩国市中津町の川下供用会館で理事会を開き、「存続を希望する会員の声を無視できない」などとして来年度以降も解散せず、活動継続に向けて検討していく方針を固めた。藤本伸雄会長(73)は理事会後、「前向きに協議する。来年1月までに正式に決めたい」と述べた。(増田咲子)

 同会は、県被団協に加盟する県内最大の被爆者団体。会員の高齢化を受けて存続の賛否を問うアンケートを実施したところ、回答した192人のうち、100人が規模を縮小してでも継続を求めた。一方で92人が継続を希望せず、賛否が拮抗(きっこう)。活動の岐路に立っていた。

 理事会には藤本会長たち理事10人が出席。アンケート結果があらためて報告された。理事からは年2千円の会費の負担感を懸念する声があった一方で、「100人の声を重く受け止めたい」「結論を急ぐべきではない」などの意見が出た。活動継続に反対の意見はなかった。

 藤本会長は「子どもたちに被爆体験を語る証言者の発掘や、証言の映像化を進めたい」と話した。

 同会によると会員の平均年齢は85・3歳。500人を超えた会員数はことし300人を割り込んだ。今後は存続に向けた具体的な運営の在り方を話し合っていく。

(2014年6月17日朝刊掲載)

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