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高陽東高がシリア写真展 21日文化祭へ準備 平和実現願い支援の募金も 広島市安佐北区

 広島市安佐北区落合南の高陽東高の生徒会が21日の文化祭で、内戦が続くシリアの現状を伝える写真展を開く。来場者に平和の大切さを訴えようと、初めて企画した。(中川雅晴)

 アジアプレス所属のジャーナリスト玉本英子さん(47)=大阪府=がシリアやイラクで撮影した写真パネル10枚を教室に展示する。戦闘で多数の銃弾の穴が開いた建物や、電気が通じず懐中電灯の明かりで夕食を取る市民の様子など戦下の現状を来場者に解説する。シリアに支援物資を届ける募金も呼び掛ける。

 生徒会などの10人が5月17日、中区で県ユニセフ協会が主催した玉本さんの講演を聴いたのがきっかけ。玉本さんがシリアで撮影した映像を見ながら、食料不足による物価高騰や医療器具が故障して十分な治療を受けられない実態を知った。

 生徒会は玉本さんに写真を借りて、文化祭での展示を企画。シリア内戦の経緯を「生徒会だより」にまとめ、全校生徒714人に配った。3年平本瑛子さん(17)は「世界の現実から目をそむけず、募金活動をして少しでも世の中の役に立ちたかった」と話す。

 文化祭当日は、来場者にアラビア語で「ありがとう」を意味する文字と人の笑顔を描いた缶バッジを配る。生徒会長の3年藤本康太郎君(17)は「貧富の差が激しく、一般市民も死に直面するのが戦争の恐ろしさだと知った。シリアへの物資支援の輪が広がり、平和な世の中になってほしい」と願っている。

(2014年6月18日朝刊掲載)

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