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被爆地の思い 発信 平和の歌声 高らか60年 広島合唱団 来月記念コンサート

 核兵器廃絶や平和への祈りを込めて歌い続けてきた広島合唱団(広島市中区)が創立60周年を迎えた。創立時から活動するお年寄りや若者たち35人が7月6日、中区のアステールプラザで記念コンサートに臨む。(有岡英俊)

 合唱で連帯感を育む全国的な平和運動「うたごえ運動」のさなかの1954年5月、労働組合の若者たち約60人で結成した。55年の第1回原水爆禁止世界大会の記念行事や、他の合唱団とのコンサートで披露してきた。創作曲は、市内中学生の平和学習の感想を基にした「ねがい」など約250曲を数える。

 「歌声は平和の力と信じ歌い続けてきた。60年を迎え感慨深い」。創立時から参加する西区の谷口武士さん(85)は振り返る。最年少の東区の会社員石本直さん(27)は「亡き祖父の願いだった核兵器廃絶のメッセージを発信する場」と話す。

 東日本大震災後は、復興支援チャリティーコンサートを毎年開いている。寺本美和子団長(55)=南区=は「原発や集団的自衛権の問題など日本の将来に危うさを感じるいまこそ、大きな声で平和への思いを発信したい」と力を込める。

 午後2時に開演し、メンバーが作曲した「朝顔」など約30曲を歌う。定員1200人。当日券は自由席2千円、指定席2500円。収益の一部は、被災地の支援に充てる。同合唱団Tel082(294)3981。

(2014年6月20日朝刊掲載)

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