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島根県「極めて遺憾」 韓国の竹島沖訓練 国には冷静な対話求める

 韓国海軍が20日、竹島沖で射撃訓練に踏み切ったのを受け、島が属する島根県の関係者からは憤りの声が相次いで上がった。訓練海域の一部は韓国側の竹島の実効支配を受け設定されている暫定水域内で、県内漁船が操業する可能性があっただけに「国は訓練情報をつかんだら早急に知らせるべきだ」と求める声もあった。

 「また日本の領土権を無視した行為が繰り返された」。実効支配の影響で好漁場での操業を制限されている隠岐島漁連(隠岐の島町)の浜田利長会長(75)は嘆いた。「何度陳情しても国は動かない」。外交政策への不満を漏らした。

 溝口善兵衛知事は、県議会本会議の開会直後、議場で異例の声明を発表。「政府の中止要請にもかかわらず実施され、極めて遺憾」と強調した。その後の取材に対して「言い合いだけでは進まない。政府は韓国と冷静な話し合いを」と具体的な交渉を求めた。

 訓練の情報が県に入ったのは19日夕。複数の関係者によると政府は事前に情報を入手していたといい、県水産課の担当者は「危機管理上、もっと早く知らせるのが筋」と苦言を呈した。この日、訓練海域周辺の暫定水域内では1隻の県内漁船がベニズワイガニ漁の操業中だったが、安全を確認した。(樋口浩二)

(2014年6月21日朝刊掲載)

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