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自治政府設立へ決意 ミンダナオ和平セミナー 「広島宣言」採択し閉幕

 広島市で開かれていたフィリピンのミンダナオ島の和平促進を考える国際セミナーは25日、東区のホテルで最終会合を開き、自治政府設立に向け決意を込めた「広島宣言」を採択し、3日間の日程を終えた。

 宣言は前文で、フィリピン政府とイスラム武装勢力モロ・イスラム解放戦線(MILF)がことし3月に結んだ包括和平合意やアキノ大統領とMILFのムラド・イブラヒム議長との合意後初の会談を評価。平和の象徴の地、広島での採択を歓迎した。

 自治政府設立や地域の社会経済開発、治安の正常化に向けた計12項目の課題を掲げた。「包摂的な開発」のために宗教や民族を超えた全ての人の参加を求めるほか、民主主義の原則や警察組織の導入を支持すると強調。国際社会の支援を受けることも重要だとしている。

 セミナーは国際協力機構(JICA)などの主催。最終会合には比政府のテレシタ・デレス和平プロセス大統領顧問室長官やMILFのムラド議長たち約80人が参加。宣言内容を練り上げ、全員が拍手で承認した。(鈴中直美)

(2014年6月26日朝刊掲載)

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