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実質合意 公明広島矢面に 集団的自衛権 議員意見集約し党本部へ 支援者から「失望」「応援しない」

 自民、公明両党が憲法の解釈変更による集団的自衛権の行使容認で実質合意した中、「平和の党」を掲げる公明党の地方議員が矢面に立たされている。被爆地広島で支援者の反応は、とりわけ厳しい。「失望した」「もう応援しない」などの声も届くという。県本部は、県内の県議と市議、町議全53人の意見や訴えを集め、党執行部に届ける準備を進めている。

 25日朝、広島市西区のJR横川駅前。公明党議員団(6人)の団長を務める田川寿一県議(西区)は、街頭活動に立った。「粘り強く頑張って」。通行人の激励を、集団的自衛権についてだと受け止めた。「皆さんの声を国に届けます」。そう返したが、約40分の朝立ちを終え「今は、期待されるのがつらい」。そうこぼした。

 栗原俊二県議(安佐南区)は先日、街頭活動でなじられた。「公明党にはがっかりした。自民党に加担しているじゃないか」。返す言葉がなかったという。「次の国政選挙では応援しない」と言われ、来年春の統一地方選への影響を懸念する議員もいる。

 自公両党は1999年に連立政権を組んでから、選挙協力を続けている。今回は特に、「ストップ自民」の期待が各方面から寄せられた。今月12日、県本部を訪れたのは、市民グループ「秘密法廃止!広島ネットワーク」など2団体。行使容認に反対するよう求める要望だった。ある県議は「被爆地広島は党派を超え、平和憲法を守ろうという意識が強い」。それだけに解釈変更への反対に責任も感じているという。

 県本部は与党協議が大詰めを迎える中、53人いる地方議員の声をまとめ、党本部に伝えることを決めた。これまで県議や広島市議、福山市議ら10人分の意見が届き、全て行使容認に反対という。「これまでの平和への取り組みは何だったのか」「政権離脱も覚悟し、断固反対するべきだ」「平和の党として胸を張れる判断を」と訴えている。

 田川県議は28日に東京都内である地方組織の幹部会合に合わせ上京し、党本部の幹部に集約した意見や自身の思いを直接伝える。「有権者に最も近い地方議員の声をきちんと受け止めてもらいたい」と話している。(金刺大五、新谷枝里子)

(2014年6月26日朝刊掲載)

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