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原爆映画「ひろしま」世界へ 英字幕DVD作成計画

■記者 岡田浩平

 1953年制作の原爆映画「ひろしま」の英語字幕版DVDの作成を映画プロデューサーの小林一平さん(63)=東京都狛江市=が計画している。来年の原爆の日までに完成させて各国の元首たちに送り、核兵器廃絶への決意を促す。

 映画は広島市出身の俳優月丘夢路が出演。長田新編「原爆の子」を原作に親子や教師たちの被爆後の人々の苦しみ、街の惨状を克明に再現している。104分。日本語版は独立プロ名画保存会の提供で新日本映画社からDVDが発売されている。

 映画では小林さんの亡き父、大平さんが関川秀雄監督の補佐を務めた。母方の祖父を原爆で亡くしている小林さんは「地獄のような惨状を核保有国の指導者に伝えるのにこれ以上の映画はない」と強調する。2年前には広島市で上映、反響を呼び、英字幕版作成へ意を強くした。

 せりふの翻訳や字幕付きDVDの作成、郵送にはボランティアや寄付を募る。小林さんは文部科学省選定の映画「黒潮物語・海からの贈りもの」を企画、撮影し、ボトルに入れた平和へのメッセージを黒潮に流して発信する活動に取り組んでいる。今後、こうした経験や市民活動での人脈を生かし、協力を呼び掛ける上映会を広島、長崎市など各地で開催していくという。

 小林さんは「被爆地から活動の輪を広げたい」と意気込んでいる。問い合わせは小林さんkobayashi@kuroshio‐bottle.org

(2010年8月12日朝刊掲載)

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