×

ニュース

原爆資料館展示見直し 有識者検討会議が初会合

■記者 金崎由美

 広島市が大幅改修に着手する原爆資料館(広島市中区)について、展示内容の見直しを助言する有識者による検討会議が12日、同館で初会合を開いた。本年度は7回の会合を重ね、被爆の実態をより深く伝える展示構成や手法、資料の選定を具体化する。市は、本年度中にまとめる基本設計に反映させる。

 市が設置した検討会議は、建築学、核物理学、核軍縮の専門家や被爆者たち11委員で構成する。初会合では、委員長に中国新聞社の今中亘特別顧問を選出。市側が、解説文の多言語化や映像装置、照明の配置、来館者が見やすい工夫など議論する項目を示した。2回目の会合以降、議論を本格化させる。

 大幅改修は、見学順序を変更し、限られた時間でも被害の実態や非人道性を効果的に学べるようにするのが目的。市は2011年度に展示内容を固め、12年度から改修に着手。東館1階から3階への直通エスカレーターの新設▽東館改修▽本館改修―の順に進め、17年度に全面オープンする計画でいる。総事業費は46億7千万円。

 今中委員長は「どれだけ被害の実態をクリアに訴えることができるかを、色彩、音声、言語も含め多角的に検討したい」と話した。

(2010年8月13日朝刊掲載)

関連記事
原爆資料館 見学ルートを変更 広島市が基本計画(10年7月14日)
被爆の実相を重視 資料館検討委 計画原案了承 7年かけ順路改修(10年3月 1日)
原爆資料館展示見直し 素案への市民意見募る(09年12月 1日)
 

年別アーカイブ