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「核廃絶の願い 英国でも共有」 川本さん帰国報告

■記者 金崎由美

 広島と長崎の両市が核兵器を保有する英国で開いた原爆展(2~12日)で、被爆体験を証言した川本省三さん(76)=広島市西区=が12日、市役所で記者会見した。川本さんは「核兵器廃絶への願いを共有できたと思う」と語った。

 川本さんは7月31日~8月8日、原爆資料館の職員と渡英。ロンドンでの原爆展会場など4カ所で通訳を介し計300人に語った。川本さんは原爆投下時、三次市に学童疎開していたが、広島市の自宅などにいた家族6人が亡くなった。川本さんも入市被爆し、原爆孤児となった。

 会場では「学校で子どもに語ってほしい」との要望や、「原爆を投下した米国を憎んでいるか」など多くの質問を受けた。川本さんは「反響の大きさに驚いた。核兵器廃絶を願う人たちは多いと実感した」と話した。

 英国で5回目となった原爆展は、両市と、現地の反核団体「核軍縮キャンペーン(CND)」が共催した。

(2010年8月13日朝刊掲載)

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