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不戦の国どこへ 被爆者ら「一大暴挙」 デモ行進や抗議文 集団的自衛権閣議決定

 「立憲主義に反する」「戦争はさせない」―。集団的自衛権の行使容認を柱とする憲法解釈変更が閣議決定された1日、中国地方の各地で、市民がシュプレヒコールを上げた。戦場に赴くかもしれない自衛隊員には戸惑いも。本紙連載「憲法 解釈変更を問う」に登場した外交や防衛など各界の識者は、あらためて「民主主義の危機だ」と警鐘を鳴らした。

 広島市中区の原爆ドーム前では1日午後6時、被爆者や平和活動家でつくる「戦争をさせないヒロシマ1000人委員会」が企画した集会に、約600人が集まった。委員会の呼び掛け人代表、秋葉忠利・前広島市長は「閣議決定は立憲主義に反する。若者を戦場に送らないため、反対の輪を広げよう」と訴えた。

 続いて横断幕やプラカードを掲げ、市街地を約1時間かけてデモ行進。「解釈改憲、絶対反対」「9条を守れ」と声を合わせ、通行人たちにアピールした。

 短文投稿サイトのツイッターの情報を見て駆け付けたという広島国際大1年宮内彩さん(22)=東広島市=は「自分たち若い世代の命に関わる問題。閣議決定を認めてはいけない」と列に加わった。

 「広島県9条の会ネットワーク」なども市中心部の商店街で街宣活動をした後、1000人委員会の集会に合流した。

 周南市役所前などでは、平和・民主・革新の日本をめざす山口県の会(県革新懇)のメンバー約15人が街頭演説。「憲法解釈を勝手に変えれば、憲法9条は根本から破壊される」と声を張り上げた。三次、福山、三原市、松江市の中心部などでも、市民団体のメンバーがマイクを握ったり、座り込みをしたりして抗議の姿勢を示した。

 日本被団協や広島県被団協、県原水協などは抗議文や声明で「平和憲法を根底から否定する一大暴挙」「東アジアの緊張の悪循環をエスカレートする危険な動き」などと閣議決定を非難した。

(2014年7月2日朝刊掲載)

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