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修道大生 原爆投下時の証言集め 安佐南区戸山地区

■記者 田中美千子

 広島市安佐南区の広島修道大の学生7人が同区戸山地区で、原爆投下時の体験の聞き取りを始めた。地元住民23人でつくる戸山民俗資料保存会(中川博会長)に協力。同大の「地域つながるプロジェクト」に応募して助成金も獲得した。

 7人は法学部や人文学部の2~4年生。保存会メンバーと学内の自主活動支援室を介して知り合い「高齢化が進む戦争体験者の肉声を残そう」と意気投合した。

 証言集めは夏休み返上で続ける。17日は地区の集会所で座談会を開き、住民9人に65年前の「あの日」を振り返ってもらった。「黒い雨が降り、シャツに点々が残った」「口や耳がどこにあるか分からんような人が救護所に寝とられた」…。生々しい証言をノートに書き取った。

 保存会とともに来年初めにも冊子に取りまとめる。人文学部4年北田輝也さん(22)は「ぼくたちは直接体験を聞ける最後の世代かもしれない。地区は爆心地から約20キロ離れ、体験が見落とされがち。しっかりと残したい」と力を込めた。

(2010年8月18日朝刊掲載)

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