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平和祈念館が体験聞き取り 本年度12人

■記者 金崎由美

 国立広島原爆死没者追悼平和祈念館(広島市中区)が、被爆体験の聞き取りを進めている。19日は、安佐南区の木村厳さん(78)が同館で65年前の記憶とその後の歩みを語った。

 木村さんは爆心地から約4.3キロ離れた学徒動員先の三菱重工広島造船所で被爆後、市中心部に入った。「こんな悲惨な過去が平和の礎となっていることを知ってもらいたい」と、初めて実名で語ることを決意した。

 「爆心地から1キロ余の自宅にいた父が亡くなり、本当に苦労した」と木村さん。祈念館の担当者に1時間半かけて話した。胎内被爆した弟は原爆小頭症と認定された。木村さんは今、患者や家族、支援者でつくる「きのこ会」で積極的に活動しているという。

 同館は2006年度から毎年、公募した約10人から聞き取りをしている。本年度は12人の体験記をまとめ、館内で公開する。

(2010年8月20日朝刊掲載)

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