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「被爆の悪夢」紙芝居で訴え 江田島の吉田さん

 広島県江田島市江田島町の吉田悦子さん(73)が、被爆体験をまとめた紙芝居を作り、28日に同町の江田島公民館で披露する。4歳の時に広島市西区で被爆した吉田さんは「原爆がどれほど怖いものか、若い人に知ってほしい」と訴える。

 タイトルは「夏の日の悪夢」。妹を出産する母と一緒に西区三篠地区にあった母の実家に身を寄せていた。そこで8月6日の朝を迎えた。

 爆発の衝撃で階段から転がり落ちた。安佐北区可部に避難する途中で負傷した多くの人に会った。仕事や勤労動員で市中心部に出ていった祖父や叔母と二度と会うことはなかった…。

 そうした記憶をたどりつつ4月から少しずつ描いた。完成は6月下旬。30枚で上演時間は約30分だ。吉田さんは「原爆の記憶が薄れゆく中で、元気でいる限り、忘れないように発信していきたい」と力を込める。

 紙芝居は最後にこう結ぶ。「丸い地球。どこの国も皆、仲良く手をつなぎ、丸い輪をつくり、平和の輪になるように祈りましょう」(貞末恭之)

(2014年7月4日朝刊掲載)

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