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原爆爆心地の復元CG完成 旧中島地区 来月資料館で公開

■記者 金崎由美

 原爆で壊滅した広島市の旧中島地区(現中区の平和記念公園)の街並みや日常をコンピューターグラフィックス(CG)で再現した映像作品が完成した。旧広島県産業奨励館(現原爆ドーム)の内部も詳細に描く。「平和公園復元映像製作委員会」(田辺雅章代表)が手掛けた。

 9月3日、元住民を招き、原爆資料館東館で上映会を開く。60分作品の「『ヒロシマからの伝言』~原爆で失ったもの~」。料亭や商店街、映画館が並び活気にあふれた繁華街をリアルなCG映像と元住民たち60人の証言で描く。

 元住民の証言や、田辺さんが日米両国で発掘した資料を基にCGで再現した建物は50棟に上る。原爆さく裂の瞬間も挿入し、1発の核兵器が街のすべてを破壊し尽くした非道さを浮かび上がらせる。

 田辺さんや広島の建築工学の専門家たちでつくる委員会が3年余をかけ完成させた。旧県産業奨励館の部分は、米ハリウッド映画に人材を送るカリフォルニア州立大の教授と学生たちが、内部の貴賓室などを描写した。

 田辺さんは「核保有国を含む各国で核軍縮教育に活用してもらいたい」と話している。

(2010年8月20日朝刊掲載)

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