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被爆電車で知る「あの日」 広電の10キロ区間 親子で惨状学ぶ 広島

 広島電鉄の被爆電車に乗って平和の大切さについて考える催しが5日、広島市であった。小学生と保護者計58人が、沿線の原爆投下直後の惨状について、被爆者から話を聞いた。

 広電広島駅から西広島駅を通り、鷹野橋電停へ向かう約10キロの区間。1歳の時、母親に背負われ入市被爆した今田洋子さん(70)=中区=から、熱線に焼かれた多くの市民が水を求めながら亡くなった様子などについて説明を受けた。

 本川小(旧本川国民学校)近くも通過。今田さんが「犠牲となった児童は勉強したくてもできなかった」と語り掛けると、参加者は真剣な表情で耳を傾けた。宇品小5年の奥野千晴さん(10)は「戦争のない世界がきてほしい」と願っていた。

 市民団体「2000+7・平和」が主催し、今年で7回目。降車後には、原爆投下を正当化してきた米国の姿勢をテーマにした詩人アーサー・ビナードさん(47)=中区=の講演会が、市男女共同参画推進センター(ゆいぽーと)であった。(川手寿志)

(2014年7月6日朝刊掲載)

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