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プロセスの重要性強調 平和学者ガルトゥング氏 広島で講演

■記者 新田葉子

 世界的に著名なノルウェー出身の平和学者ヨハン・ガルトゥング氏(79)が23日、広島市中区のアステールプラザで講演した。紛争当事者が互いに事実を確認し、ともに将来像を築いていくプロセスの重要性を強調。真珠湾攻撃や広島・長崎への原爆投下などに触れ「それぞれの大きな苦しみを乗り越え、歴史を共有する努力が必要」と語った。

 国内外の非政府組織(NGO)関係者や研究者、学生たち約50人が聞き入った。

 ガルトゥング氏はまた東アジア共同体創設に向け「沖縄の米軍基地を共同体の拠点に転換するなど、夢と具体的なビジョンを持つことが重要」と提案していた。

 京都市のNGO団体などが主催する5日間の人材育成プログラムの一環。この日夕には平岡敬前広島市長との対談もあり、核兵器廃絶の道筋などについて意見を交わした。

 フィリピン政府職員のマイケル・フランク・アラーさん(30)は「夢を持てと繰り返していたのが印象的だった。それは正しいと思う」と話していた。

(2010年8月24日朝刊掲載)

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