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来年11月 長崎で開催 核なき世界へ パグウォッシュ会議

 核兵器廃絶を目指す科学者の世界的組織、パグウォッシュ会議は8日、被爆70年の来年11月に長崎市で第61回世界大会を開催すると発表した。「核なき世界の実現」をテーマに議論し、成果を「長崎宣言」として発信する。日本開催は2005年の広島市以来で、長崎市では初めて。

 11月1日から5日間の日程で、米国やロシアなど核保有国を含む約40カ国の約200人が参加する。核不拡散、北東アジアの非核化、福島第1原発事故を踏まえた科学者の社会的責任などをテーマにグループで討論。核兵器廃絶に向けた具体的な提言をまとめる。

 また、長崎市の原爆資料館の見学、被爆者や市民との対話も予定。核兵器の非人道性への認識を深める。グループ討論は非公開だが、一部のパネル討論や対話、基調講演は公開する。

 主催するパグウォッシュ2015組織委員会のメンバーが8日、東京都内で記者会見。委員長の鈴木達治郎・長崎大核兵器廃絶研究センター副センター長は「福島の事故を踏まえ、原子力技術のもたらす脅威、リスク、被害をなくすという意味で議論のテーマを『核なき世界』と表現した。科学者、技術者の責任を議論したい」と話した。(藤村潤平)

パグウォッシュ会議
 1954年の米国のビキニ水爆実験をきっかけに、世界の著名な科学者11人が署名した「ラッセル・アインシュタイン宣言」を受けて、57年にカナダ・パグウォッシュ村で初会議が開かれた。その提言活動は、部分的核実験禁止条約(PTBT)や核拡散防止条約(NPT)の成立に影響を与え、95年にノーベル平和賞を受賞。近年は隔年で開催され、2013年の第60回世界大会はトルコ・イスタンブールで開かれた。

(2014年7月9日朝刊掲載)

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