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核兵器の役割減 課題などを議論 軍縮学会 東京で大会

■記者 岡田浩平

 日本軍縮学会の研究大会が28日、東京都国立市の一橋大であった。研究者や非政府組織(NGO)のメンバーら約50人が参加。核兵器の役割の減少へ向けた課題などを多角的に議論した。

 日本国際問題研究所軍縮・不拡散促進センターの戸崎洋史主任研究員は北東アジアについて、軍事力の近代化を進める中国と日本、米国の戦力透明化や信頼醸成が重要だと指摘。核戦力の運用方法について日米間の緊密な協議が必要とした。

 一方、拓殖大の佐藤丙午教授(国際関係論)は冷戦後の米国と、「核の傘」の下にいる日本など同盟国との間で核兵器の役割の認識が異なると分析。国家間の軍縮交渉の難しさを強調した。

 また「核兵器のない世界への次のステップ」をテーマにした討論には、5月の核拡散防止条約(NPT)再検討会議で議長を務めたフィリピンのカバクトゥラン国連常駐代表が参加。核兵器禁止条約の交渉の早期開始などを訴えた。

(2010年8月29日朝刊掲載)

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