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中沢さんの心 歌い継ぐよ 「広島 愛の川」 白島小児童が合唱 

 広島市中区の白島小6年生が8日、漫画「はだしのゲン」の作者、故中沢啓治さんが作詞した「広島 愛の川」の合唱を校内の平和集会で披露した。児童による夫の歌に初めて聞き入った妻ミサヨさん(71)=中区=は「詩の意味をかみしめ、伝えていって」と願った。(西村萌)

 〽語ろうよ川に向って 怒り、悲しみ、優しさを―。優しく語りかけるような詩に、しっとりとしたメロディー。約60人の歌声が体育館に響き渡った。歌い終えた後、亀田慧流(える)さん(11)は「中沢さんの平和への思いが詰まった曲。周りの人たちにまず伝えたい」と話した。

 「広島 愛の川」は作曲家の山本加津彦さん(34)=東京都三鷹市=が曲を付け、歌手の加藤登紀子さんのCDが発売されたばかり。詩に感銘を受けた6年の担任がCD化に先立って山本さんから楽譜とデモ音源をもらい受け、児童は6月下旬から音楽の授業や始業前に練習を重ねてきた。

 合唱を聴いたミサヨさんは「次の世代に平和を語り継いでほしいと主人が作った詩。教育の場でぜひ生かしてほしい」と期待した。やはり同席した山本さんは、市立全142小学校に折り鶴再生紙で作った楽譜を贈るつもりでいるという。

(2014年7月9日朝刊掲載)

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