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ただいま 旧中島地区 被爆前再現CG公開

■記者 金崎由美

 原爆で壊滅した広島市の旧中島地区(現平和記念公園)と周辺の街並みや日常をコンピューターグラフィックス(CG)で再現した記録映画の試写会が3日、広島市中区の原爆資料館東館メモリアルホールであり、元住民や協力者約100人が出席した。

 60分作品「『ヒロシマからの伝言』~原爆で失ったもの~」。産学官でつくる製作委員会が、元住民の証言を織り込み、3年3カ月かけて完成させた。旧広島県産業奨励館(現原爆ドーム)の隣に家があった会社社長の田辺雅章さん(72)が製作委の中心になった。

 試写会で元住民は、産業奨励館や市内随一の繁華街だった街並みをリアルに描いたCGに見入っていた。被爆後の惨状を伝える場面では、両親を失い孤児となった人たちの証言に目頭を押さえた。実家が現在の原爆慰霊碑近くにあった木戸正子さん(89)=廿日市市=は「家族とも疎開して無事でしたが、家を失いました。映像でよみがえり、胸がいっぱい」と話していた。

 4、5日は同館で一般公開する。両日とも午前10時、午後1、3時の3回上映する。無料。

(2010年9月4日朝刊掲載)

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