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北朝鮮被爆者を来春健診の計画 広島県医師会

■記者 教蓮孝匡

 広島県医師会は3日、来春に北朝鮮での被爆者健康診断を実施する計画を明らかにした。これまで2度、北朝鮮への健診を計画したが、国際情勢の影響から延期している。具体的な時期などは固まっていない。

 県医師会の碓井静照会長たちが広島市役所で記者会見した。8月末にスイスであった核戦争防止国際医師会議(IPPNW)世界大会に参加した県医師会役員と、IPPNW北朝鮮支部代表が健診団の派遣で合意したという。5日間の日程で医師5人を派遣し、平壌と広島で被爆した人が多い沙里院市で計約100人を健診する。

 県医師会は2008年9月、北朝鮮に医師を派遣し、被爆者の人数や健康状況を調べた。その後、2度ほど訪朝健診を予定したが、北朝鮮の核実験のほか、韓国哨戒艦沈没事件を受けた日本政府からの自粛要請を踏まえ見送っていた。

 碓井会長は「国際情勢に影響される面はあるが、一刻も早く実現したい」と話した。県医師会は今後、日本政府に訪朝健診を了解するよう働き掛ける。

(2010年9月4日朝刊掲載)

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