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暴力犠牲者に寄り添い創作 ヒロシマ賞のサルセドさん来日

 現代美術分野で平和に貢献した人をたたえる広島市のヒロシマ賞を今回受賞したコロンビア人の女性芸術家ドリス・サルセドさん(55)が11日、広島市を初めて訪れ、市役所で松井一実市長と面会した。18日に南区の市現代美術館で開かれる授賞式に出席するために来日。「暴力や差別の犠牲者に寄り添ったこれまでの創作が報われた」と喜んだ。

 サルセドさんは、日常の家具などを使った彫刻やインスタレーション(空間構成)で、暴力犠牲者たちの記憶、追悼を表現し、世界的に知られている。

 松井市長は「平和を願うヒロシマの心に通じる」と授賞理由を説明。サルセドさんは「被爆という苦しみを乗り越えた広島からも学びたい」と話した。

 市現代美術館では、19日から日本初となる作品展が10月13日まで開かれる。

 3年に1度のヒロシマ賞は1989年に市が創設。これまでにオノ・ヨーコさんたちが選ばれた。(西村萌)

(2014年7月12日朝刊掲載)

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