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市民の喜び刻む銅像 「広島カープ誕生物語」題材 マツダ球場北 来年2月登場

 故中沢啓治さんの漫画で原爆孤児となった少年が主人公の「広島カープ誕生物語」をモチーフにした銅像が来年2月、広島市南区のマツダスタジアム北側に登場する。被爆70年に合わせ、中国新聞社が広島東洋カープと協力して企画した。中沢さんの妻ミサヨさん(71)が11日、球団事務所を訪れ、粘土でできた10分の1サイズの模型でデザインを確認した。

 被爆の5年後に誕生した球団が、市民と支え合って復興した歴史を刻むのが目的。銅像は幅約2・5メートル、高さ約2・2メートル。主人公たち少年少女5人がカープの野球帽をかぶり、土管の上で応援しているデザインで、主人公と暮らしていた犬も寄り添う。建設中の屋内練習場の隣接地に設置する。

 「広島カープ―」は、主人公の少年が、球団創設から1975年の初優勝までの歩みに胸を躍らせ、精いっぱい生き抜く姿を描いている。

 ミサヨさんは「(夫は)カープの大ファンで、ともに生きてきた感じだった」と振り返り、「被爆後、カープを心の支えに復興を続けた市民の力強さを感じる場になれば」と願っていた。

 カープの松田元オーナーは「広島に球団ができた当時の強い喜びが伝わってくる。完成が楽しみ」としている。(鈴中直美)

(2014年7月12日朝刊掲載)

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