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被爆者145人の体験記集 宮崎の遺族会が出版

■記者 金崎由美

 宮崎県内の被爆者の遺族でつくる「被爆の思いをつなぐ会」(原田愛会長)は、被爆者145人の手記を収録した「ヒロシマ・ナガサキ 宮崎からの証言 65年間の記録集」を編集、出版した。

 1970~2005年に宮崎県原爆被害者の会などが出版した体験記集5冊と、遺族が提供した未発表の手記で構成する。現代表記への手直しも進め、ページごとに「建物疎開」「大八車」などの言葉に解説を付けた。

 広島で被爆した手記は71人分。被爆直後の惨状や、戦後に原爆被害が知られていない土地で生き抜いた元軍人、看護学校の生徒たちの証言を収めた。体験記が図書館などに眠っていることに胸を痛めた原田会長(80)が「貴重な証言に光を当てたい」と若い世代にも読みやすい体験記集の出版を思い立った。

 原田会長自身は、25年前に亡くなった夫が広島文理大(現広島大)の学生だった当時、白島中町で被爆した。原田会長は「被爆者は高齢化し、被爆70周年の節目は待てないとの思いで編集した」と話している。

 A5判、686ページ、4200円。鉱脈社。原田さんTel0985(23)6000。

(2010年9月7日朝刊掲載)

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