×

ニュース

国民の理解進む/審議足りず 中国地方選出議員 意見が交錯 集団的自衛権 衆院集中審議

 集団的自衛権の行使を可能にする閣議決定を受けた14日の衆院予算委員会の集中審議。傍聴した中国地方選出の国会議員たちから、国民の理解が深まったとする声と説明不足を指摘する意見が交錯した。

 委員として出席した自民党の中川俊直氏(広島4区)は「審議を通じ、海外で戦争するための憲法解釈の変更ではないことが、はっきりした」と強調。「閣議決定の狙いの一つは、日本の抑止力の強化。この点での国民の理解が今後は進む」と期待した。

 公明党の斉藤鉄夫氏(比例中国)は「閣議決定が、憲法9条の精神を変えるものではないと理解されたと思う」と評価。一方で「集団的自衛権を行使できる範囲は極めて限定的という説明は、まだ不足している。与党として努力したい」と述べた。

 民主党の江田五月氏(参院岡山)は「重大な方向転換なのに、限定容認を強調して事態を小さく見せようとしていた」と批判。「国民は安倍晋三首相や閣僚の考えをもっと聞きたいはず。衆参1日ずつの審議では全く足りない」と訴えた。

 8月に結成予定の次世代の党に参加する日本維新の会の坂元大輔氏(比例中国)は「政府の答弁は抽象的な議論に終始し、国民に分かりにくい」と受け止めた。憲法9条について「自衛権が文言にないのは無理がある。憲法改正が必要との思いを強くした」と主張した。(坂田茂、藤村潤平)

(2014年7月15日朝刊掲載)

年別アーカイブ