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在韓被爆者 迅速審査を 手帳交付で被害者協 広島市に申し入れ

■記者 金崎由美

 在韓被爆者の被爆者健康手帳の交付審査に時間がかかり過ぎるとして、韓国原爆被害者協会の金龍吉(キムヨンギル)会長たちが10日、広島市役所を訪れ、審査の迅速化を申し入れた。

 市原爆被害対策部であった協議は非公開。記者会見した金会長は「申請から1~2年かかるケースが多い。長崎市は約3カ月だ」と強調。在韓被爆者の平均年齢は76歳を超えているとして「人道上の問題」と訴えた。さらに「申請に必要な『被爆証人』の記憶と少しでも食い違えば、交付されない」と憤り、被爆から65年が経過した事情の考慮を求めた。

 市によると、昨年度は韓国を含む在外被爆者から129件の手帳申請があり、前年度申請分を含む84件に手帳を交付した。昨年度の在外被爆者の審査期間は平均10カ月半で、約11カ月の日本人とほぼ同じという。

 一方、長崎市は昨年度に在外被爆者から26件の申請があり、前年度申請分を含む18件を交付した。広島市援護課の飯冨真治認定担当課長は「広島は申請件数が多いが、審査の迅速化へ人員増も含めて検討したい」としている。

(2010年9月11日朝刊掲載)

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