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71ヵ国とEU代表 参列 8・6式典 米露中は返事未着 広島

 広島市は15日、被爆69年の8月6日に中区の平和記念公園で営む原爆死没者慰霊式・平和祈念式(平和記念式典)の概要を発表した。各国から同日時点で、昨年より1カ国多い71カ国と欧州連合(EU)の代表が参列を予定する。式典で「平和の鐘」を突く遺族や子どもの代表たち4人は、市役所で記者会見し、記憶の継承と平和への願いの発信へ決意を新たにした。

 式典は午前8時から45分間。米国が原爆を投下した8時15分、遺族代表の歯科医師加藤千季(かづき)さん(29)=中区=と、こども代表の戸坂小6年岡野初衣(うい)さん(11)=東区=が突く「平和の鐘」の音に合わせ、参列者が黙とう。松井一実市長が平和宣言を読み上げる。

 記者会見で祖父が被爆者という岡野さんは「平和への願いを込めて突きたい」と強調。「平和への誓い」を読むこども代表に決まっていた尾長小6年牟田悠一郎君(11)=東区=と、牛田小6年田村怜子さん(11)=同=もヒロシマの思いを伝える意気込みを語った。

 遺族代表は41都道府県から参列する。最高齢は87歳、最年少は27歳。平均年齢は64・5歳となる。

 市は昨年より2カ国増やし過去最多の155カ国とEUに式典の案内状を送った。返事が届いた国では、カンボジア、キプロス、ポルトガル、モルディブ、リベリアの5カ国が初参加となる。核兵器保有5大国では、英国、フランスが出席。米国、ロシア、中国は返事が届いていない。インド、パキスタン、事実上の核保有国イスラエルは大使や総領事が訪れるが、北朝鮮からは返事がない。

 憲法解釈の変更で集団的自衛権の行使を容認して初の式典。安倍晋三首相、岸田文雄外相は出席の方向で調整している。(川手寿志)

(2014年7月16日朝刊掲載)

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