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被爆前の街 思いはせて こうのさん原作 アニメ映画原画展 原爆資料館 広島市中区

 広島市西区出身の漫画家こうの史代さん原作で、被爆70年の来年公開を目指すアニメ映画「この世界の片隅に」の複製原画展が17日、中区の原爆資料館東館で始まった。爆心地に近い1930年代の中島地区の繁華街など原爆で破壊された街の在りし日を伝える。8月17日まで。無料。

 映画の1こまとなる原画の複製35枚をB2判のパネルで展示している。大正屋呉服店(現レストハウス)などモダンな建物やスズラン灯が並ぶ中島地区、主人公の家がある江波地区…。片渕須直監督が被爆者や地元住民から聞き取った話を基に、映画スタッフが鉛筆で繊細に描いた。

 原作は第2次世界大戦末期の広島と呉が舞台。江波出身の少女が呉へ嫁ぎ、空襲や原爆で大切な人を奪われながらも続いていく日々の営みを紡ぐ。社員旅行で資料館を訪れた会社員西美鶴さん(25)=鹿児島県霧島市=は「公園がかつては繁華街だったと知らなかった」と見入った。

 片渕監督は「当時を知る人は、原画を見てさらに詳細な風景を教えてほしい」と求めている。(西村萌)

(2014年7月18日朝刊掲載)

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