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原爆特養入園者 第6集の体験記 舟入むつみ園などの53人

■記者 金崎由美

 広島原爆被爆者援護事業団は、運営する原爆特別養護ホームなどの入園者たちの被爆体験記集「紙碑」第6集を発行した。1981年の第1集以来、被爆からの節目に合わせ編集している。被爆65年の今年は、舟入むつみ園(中区)の開設40周年でもある。

 舟入むつみ園など3施設の被爆者がつづったり、職員が聞き書きしたりした53人の体験記。同園の佐々木寿美江さん(79)は被爆体験を初めて文章にしたためた。かぜで学徒動員先の工場を休み、皆実町の自宅にいたため助かった佐々木さんは「思い出したくはないが、生かされてきた身として体験を残すべきだと思った」と語る。

 ほかの被爆者の聞き書きをした同園介護主任の池田里子さん(59)は「皆さんが、どんなに懸命に生きてきたかを感じてほしい」と願う。A5判、132ページ。千部印刷し、図書館などに寄贈した。希望者には無料で配るが、送料は自己負担となる。同事業団Tel082(845)5091。

(2010年9月14日朝刊掲載)

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