×

ニュース

69年目の夏へ…ヒロシマ鎮魂の調べ 平和願うコンサート続々 若手プロや市民ら音色多彩

 原爆の日を中心に、ことしも広島市内で平和を願うコンサートが続く。多彩なアーティストが鎮魂の調べを響かせる。(余村泰樹)

 8月2日は、同市安佐南区出身のピアニスト萩原麻未と広島交響楽団のコンサートミストレス蔵川瑠美が、中区の原爆ドーム対岸の親水テラスで午後6時半からクラシック・レクイエムコンサートを開く。ともに27歳。広島から輝く2人が初共演する。

 「広島に生まれた若い世代の1人として積極的に活動したい」と萩原。被爆ピアノで祈りの気持ちを込めたアベ・マリアなどを届ける。6月に最年少でコンミスに就任した蔵川は「多くの人の魂や気持ちが集まる場。心安らぐ演奏をしたい」と「タイスの瞑想(めいそう)曲」などを奏でる。

 8月5日は、広響の「平和の夕べ」コンサートが午後6時45分から中区の広島国際会議場である。小澤征爾に認められ、新日本フィルハーモニー交響楽団の音楽監督を務めた指揮者クリスティアン・アルミンクが初客演する。

 選んだのは「心揺さぶられる」と語るマーラーの交響曲第9番。別れや死がテーマの名曲の演奏を「過去を見つめ、記憶することを意味する」と表現。タクトに特別な思いを込める。

 フォーレのレクイエムを原爆犠牲者にささげる催しも相次ぐ。6日は中区の世界平和記念聖堂で午後6時から、エリザベト音楽大同窓生らでつくる100人の合唱団がスピリチュアルコンサートを開く。9日午後6時から中区の広島県民文化センターであるレクイエム イン ヒロシマは、広島センチュリー管弦楽団の演奏で、広島や呉の市民や児童計約80人が合唱する。

 若い世代も発信する。7月21日午後5時半から南区の広島みなと公園であるピース・アーチ・ひろしまコンサートには広島ジュニアマリンバアンサンブルや地元出身のTEEたちが出演。26日はアステールプラザで午後2時から平和への祈りコンサートがあり、沼田高演劇部やOBが「親と子の絆」をテーマにあの日を描いた朗読ミュージカルを演じる。8月5日午後1時から9時まで元安川親水テラスであるHIROSHIMA8・6前夜ピースコンサートでは、花を描いた傘に囲まれた舞台で、地元のアコーディオン奏者や米国人ベーシストたち15組が演奏する。

 <有料公演の問い合わせ先>平和の夕べ=広響事務局Tel082(532)3080▽レクイエム イン ヒロシマ=小林さんTel090(1014)8498▽平和への祈りコンサート=NPO法人シードオブピースTel080(4555)2758。

(2014年7月19日朝刊掲載)

年別アーカイブ