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非核特使に広島の高橋昭博さん

■記者 岡田浩平

 外務省は21日、国内外で核兵器の悲惨さを訴える「非核特使」として、広島の被爆者で原爆資料館元館長の高橋昭博さん(79)=広島市西区、長崎の被爆者で長崎平和推進協会の山脇佳朗さん(76)=長崎市=の2人に委嘱した。

 第1弾の委嘱。高橋さんは25日、国連軍縮フェローシップ事業で広島市を訪れる25カ国の若手外交官らに証言する。山脇さんは27日に長崎市である同事業に加え、市などが11月に英国で開く原爆展で中学生たちに語る。

 首相官邸を訪れた山脇さんを、菅直人首相は「非核の世界をつくるため多くの話をしてほしい」と激励。山脇さんは「しっかり頑張りたい」と応じた。「一生懸命務めたい」との高橋さんのメッセージを広島市東京事務所の谷本睦志所長が伝えた。

 「非核特使」は、被爆国として「核兵器のない世界」の実現へ積極姿勢を示そうと、菅首相が8月6日の広島市での平和記念式典で打ち出した。国際会議や原爆展などで被爆者が証言する場合、企画団体が「非核特使」の呼称の使用を外務省に申請できる。政府が非核特使を海外派遣するケースも想定する。

(2010年9月22日朝刊掲載)

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