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広島で東アジアシンポ 緊張緩和へ市民交流を

 シンポジウム「ナショナリズムとの対話~広島から考える東アジア」が21日、広島市中区の中国新聞ホールであった。領土問題や核開発をめぐって緊張が高まる中、市民はどう対応すべきかについて研究者3人がパネル討議をした。市民たち約90人が聞いた。

 広島大の丸田孝志教授(中国近代史)と島根県立大の福原裕二准教授(朝鮮半島地域研究)、県立広島大の上水流(かみずる)久彦講師(台湾文化論)が、中国や韓国、北朝鮮、台湾が日本との関係をどう捉えているかを解説した。外交が歴史問題を利用している側面を指摘し、国レベルで緊張の高まりを一変させるのは難しいと強調。緩和には市民同士の交流が欠かせないと説いた。

 司会を務めた広島市立大の西田竜也准教授(国際関係論)は「被爆地広島の世界への発信力を生かそう」と呼び掛け、来場者に積極的なコミュニケーションを促した。

 各国との対立をあおるようなナショナリズムが一部で高まりを見せる中、対話の重要性を伝えようと県立広島大地域連携センターが開いた。広島市佐伯区の広島市立大国際学部4年、高石健人さん(21)は「自分たち若い世代ができることを考えていきたい」と話した。(新谷枝里子)

(2014年7月22日朝刊掲載)

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