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戦艦陸奥 徳山高生学ぶ 慰霊祭参列や聞き取り調査 地歴部 研究発表へ 山口

 徳山高(周南市)の地歴部が、太平洋戦争中の1943年6月8日に周防大島町沖で停泊中、謎の爆発沈没を遂げた旧海軍の戦艦陸奥について学んでいる。殉難将兵慰霊祭の参列や、惨事を語り継ぐ島民への聞き取り調査で同町を訪問。研究成果を秋の文化祭などで発表する。(久行大輝)

 地歴部は現在、12人。毎年、郷土史の中から研究テーマを決めている。終戦70年が来年に迫る中、ことしのテーマに陸奥の爆沈を選んだ。

 20日には顧問の三輪敦教諭の引率で、2、3年生4人が周防大島を訪れ、63年に沈没海域を望む同町伊保田に慰霊碑を建立した「陸奥世話人会」の松林陽(きよし)さん(83)=同町伊保田=にインタビューした。松林さんは、島民から聞いた爆沈時の状況を伝え、平和の大切さを強調した。

 20日は、慰霊祭を毎年開いている東和陸奥顕彰会会長の椎木巧町長にも面会し、乗組員の遺品などを展示している陸奥記念館も見学した。2年熊野一就君(16)=下松市末武中=は「戦争の記憶が薄れつつある中で、陸奥の悲劇をしっかりと伝えたい」と力を込めた。

 部員はこれまでに、関連書物を読んで爆沈の背景などについて議論したほか、ことし6月8日には9人が慰霊祭に参列した。今後、生存者への聞き取りも計画している。

 陸奥は、小雨で周辺に霧が立ちこめる同町伊保田沖約3キロで43年6月8日正午すぎ、爆発し沈没。1121人が犠牲となった。

(2014年7月23日朝刊掲載)

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