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邑南への道 被爆者語る 「歩こう」参加者が勉強会 島根

 広島市で被爆して邑南町へ逃れた人の道のり約70キロを逆にたどる「歩こう広島まで」の事前勉強会が22日、出羽公民館(同町山田)であった。被爆後に歩いて町へ帰った河野頼人さん(83)=同町市木=が島根、広島両県の29人に「被爆者はだんだんいなくなっている。若い人に語り継いでほしい」と訴えた。

 河野さんは同市の国鉄広島第一機関区で被爆。血便が止まらず体が弱り、8月21日に故郷へ向かった。一緒に歩いた2人が帰郷後間もなく亡くなったことを挙げ「いつ症状が出るか分からん恐怖におびえ被爆者は生きてきた」「戦争や被爆は二度とあってはならんと叫び続けなければならない」と力を込めた。

 「歩こう」は町公民館連絡協議会が主催。1988年から毎年続け、ことしは町内や浜田市、広島県府中町、北広島町の計65人から申し込みを受けた。8月4日正午に同公民館を出発し、5日朝に広島市中区の平和記念公園に着く予定。(黒田健太郎)

(2014年7月24日朝刊掲載)

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