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被爆者健康手帳 迅速審査へ職員増検討 広島市

  ■記者 金崎由美、藤村潤平

 広島市は22日の市議会一般質問で、2012年度までに被爆者健康手帳の審査期間を半年に短縮するため、担当職員の増員を早急に検討する方針を表明した。手帳の認定要件を緩和した昨年度から申請件数が急増。審査期間が平均1年を超えている現状の改善を目指す。

 市は昨年3月、救護活動に当たった人たちへの手帳交付申請の却下処分をめぐる訴訟で敗訴し、同11月に認定要件を緩和した。これを機に申請が急増し、2008年度の355件から、09年度は643件に増えた。市は昨秋と本年度当初に担当職員を計3人増やしたが追い付かず、今年8月末で結果待ちの申請は680件に上る。

 一般質問では、若林新三氏(安佐北区・市民連合)が「被爆者の平均年齢は76歳を超えている。早急な対応を」と求めた。健康福祉局の志賀賢治局長は「喫緊の課題」とした上で、12年度末までに審査期間を平均6カ月に短縮させるため、人員増加を急ぎ協議する考えを示した。

 また、この日の一般質問では、安達千代美氏(安佐南区・公明党)が、全国各地で相次ぐ児童虐待問題への対応をただした。

 これに対し、秋葉忠利市長は「虐待を根絶するには、子どもを一人の人間として尊重する考え方が定着することが必要だ」と強調。市が本年度中の制定を目指している子ども条例の必要性を訴え、早期制定に意欲を示した。

(2010年9月23日朝刊掲載)

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