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被爆2世 継承の朗読 親の体験・自身の苦悩… 福山の4人がグループ

 福山市の被爆2世4人が朗読グループ「朗読折鶴」をつくった。親たちの被爆体験に、2世としての苦悩を織り交ぜるなどしてオリジナルの台本をそれぞれ作成。月1回集まって練習し、発表の場もつくって被爆体験の継承につなげる。

 4人は市原爆被害者の会二世部会の42~61歳の有志。台本には、母や祖母たちから聞き取るなどした体験を基に、被爆時の様子や負傷の状況、親類の臨終の場面などを詳しく記した。自身が経験した結婚差別について触れたメンバーもいる。

 広島への原爆投下から69年がたとうとする中、福山市原爆被害者の会の被爆者の会員数は、5年間で約200人減少し、3月末時点で410人。現在は400人を切ったという。2世の会員は134人。広中正樹会長(74)は「被爆者が少なくなる中、2世の継承活動に期待している」と話す。

 朗読折鶴のメンバーの田原由紀子さん(61)は「今聞き取って伝えていかなければ被爆体験が風化してしまう。2世としてできる活動を続けたい」と話している。(小林可奈)

(2014年7月25日朝刊掲載)

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