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あの日 見つめた人々 広島各局8・6特番 

RCCテレビ 復興を支えた野球愛/テレビ新広島 資料館初代館長の姿

 被爆から69年。原爆の日の8月6日に合わせて、広島県内のテレビとラジオ各局は特別番組であの日を見つめ直す。惨禍からの復興や被害の実態を伝えるために尽力した人たちの姿を追った内容が目立つ。(余村泰樹)

 RCCテレビは6日午前8時36分から、「野球が好きなんじゃ~広島復興とカープ誕生」を放送。戦時下の球児やカープの発展に貢献した関係者、陰で涙をのんだ人…。広島で愛され続けた野球が復興に果たした役割や歴史を探る。

 広島ホームテレビの「幻の広島復興映画」は同9時55分スタート。被爆3年後の街並みや原爆孤児の保護施設、平和記念式典の前身の平和祭などを記録した3本のフィルムが制作された背景を探り、広島の復興に向けた官民の熱意を伝える。

 テレビ新広島が同日午後2時から送る「ヒロシマを遺(のこ)した男~原爆資料館 誕生秘話」は、同館の初代館長、故長岡省吾さんの足跡を追う。焼け野原から溶けた石や瓦などを拾い集めた姿などから、資料館の原点を見る。

 NHK広島放送局は同10時から、米国が60年前に太平洋のビキニ環礁で実施した水爆実験による被曝(ひばく)の実相に迫る企画を総合テレビで届ける。被爆地で培った手法で、真実の解明に奮闘する広島の研究者の姿を記録する。

 広島テレビは3日深夜0時50分から「無言の語り部~ヒバク遺品は訴える」を放送。4年がかりの改修工事が始まり、変わる資料館の展示資料に迫る。6日も、朗読劇や被爆ピアノの演奏であの日を伝える取り組みなどを紹介する。

 ラジオ局も多様な番組を企画する。RCCラジオは6日正午から、詩人アーサー・ビナードさんを迎え、被爆の悲惨さをどう次世代に伝えるかを問い掛ける。後世に残る展示物が担う役割について、丸木位里・俊夫妻の「原爆の図」を中心に考える。

 NHKラジオ第1は5日午後9時5分から、「語り出す被爆遺品~69年目に明らかになる真実」を放送。情報が乏しく原爆資料館に眠ったままの遺品にまつわる背景や物語を探ろうとする学芸員の姿を追う。広島エフエムは6日午後8時から、「あの日の二中」と題し、被爆死した旧制広島二中生徒へのレクイエム「碑(いしぶみ)」の初演コンサートを取り上げる。演奏を指揮した山本定男さんが抱く思いから、69年前の記憶をひもとく。

(2014年7月26日朝刊掲載)

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