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核兵器廃絶へ武力否定 広島の8・6平和宣言概要 未来志向の対話訴え

 広島市の松井一実市長が8月6日の平和記念式典で読み上げる平和宣言の概要が27日、分かった。「絶対悪」である核兵器の廃絶へ、武力を否定し「未来志向の対話」を世界で広げるよう訴える。2011年4月に就任した松井市長にとって今任期で最後の平和宣言となる。

 核兵器をはじめ軍事力による脅しに依存する安全保障をやめ、信頼と対話に基づく新たな仕組みを築くべきだという市長の哲学を反映した内容。動員学徒や原爆孤児たち被爆者4人の、あの日の体験や戦後の苦労、平和への思いも紹介する。自分や家族の身に置き換えて考え、戦争のない世界へ行動するよう求める。

 またオバマ米大統領をはじめ核兵器保有国の首脳に被爆地訪問を呼び掛ける。原爆投下直後に降った「黒い雨」被害の援護対象区域の拡大も政府に要求する。

 一方、松井市長は、政府が今月1日に閣議決定した集団的自衛権の行使容認には直接言及しない方針をすでに表明している。憲法の平和主義の下、戦後69年間、戦争をしなかった事実の重みを指摘するにとどめる。

 松井市長は近く、平和宣言の骨子を発表する。(加納亜弥)

(2014年7月28日朝刊掲載)

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