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非核特使 被爆体験語る 中区で高橋さん 25ヵ国の若手外交官に

■記者 野田華奈子

 外務省から「非核特使」としての委嘱を受けた、原爆資料館元館長の高橋昭博さん(79)=広島市西区=が25日、中区の国立原爆死没者追悼平和祈念館で、25カ国の若手外交官たちに被爆体験を語った。

 外交官たちは、軍縮専門家の育成を目指す「国連軍縮フェローシップ計画」で訪れた27人。高橋さんは14歳の時、級友と爆心地から1.4キロの校庭で被爆した体験を話した。「米国を憎いと思った。でも、憎しみで苦しみを消すことはできない。生き残った者の務めとして語り続ける」と述べ、核兵器廃絶への努力を訴えた。

 一行の団長を務める国連軍縮部政務官のバレル・マンテル氏は、「過ちを二度と繰り返さないよう学ぶことが重要だ。このメッセージを必ず国に持ち帰る」と感謝の言葉を述べた。

 国内外で核兵器の悲惨さを訴える非核特使は、菅直人首相が8月6日の平和記念式典で打ち出した。外務省が今月21日に委嘱した。

(2010年9月26日朝刊掲載)

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