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胎内被爆者 伝えたい思い 初の連絡会5日発足 全国から参加へ

 原爆胎内被爆者全国連絡会(仮称)の発足が8月5日に迫った。高齢化が進む被爆者の中で、最も若い世代。「母親の体験とともに次代につなごう」という広島原爆の胎内被爆者2人の呼び掛けに応じ、参加の動きが広がっている。

 全ての胎内被爆者を対象にした組織ができるのは初めて。広島市中区の市男女共同参画推進センター(ゆいぽーと)で午後1時半~4時にある初会合には、少なくとも広島、奈良、香川、愛媛の各県や東京都の10人余りが参加する見通しだ。被爆の記憶がない中、被爆者としてあの日を語り、平和への願いを発信する方策を話し合う。

 胎内被爆者として国から被爆者健康手帳が交付されているのは、広島原爆は投下後から1946年5月31日までに被爆者の母親から生まれた人。同様に長崎原爆は6月3日まで。ことし3月末時点で全国に所持者は7351人おり、うち広島県内は3522人と半数近い。

 呼び掛け人の1人で、広島市西区の胎内被爆者、三村正弘さん(68)は「被爆者の高齢化が進んでいる。体験を共有し、私たちにできる継承策を考える場にしたい」と、一層の参加を期待している。(田中美千子)

(2014年7月29日朝刊掲載)

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