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除染廃棄物の課題聞く 原水禁参加者 福島県内を視察

 原水禁国民会議などの原水爆禁止世界大会の参加者約30人は28日、福島県伊達市で、福島第1原発事故に伴う除染廃棄物の仮置き場を視察し、市の担当者から課題を聞き取った。

 伊達市内の仮置き場は現在108カ所。一行はその一つ、同市平地区の田園を訪ね、伐採した庭木や削り取った土など40世帯分約2600トンをゴムシートで覆って保管している現状を見て回った。市放射能対策課の田中清美課長は「市では設置場所を選定できず、各町内会に話し合いで決めてもらった」と説明した。

 市内では3月、居住地区の除染が終了。今後は市の面積の75%を占める田畑や山林の除染に取り組む。田中課長は「徹底した除染を求める声はある一方で、居住地区と同じ手法で除染すると約1400億円が必要になる。国負担だが、どうあるべきか悩ましい」と話した。

 一行は福島県国見町の公共下水道処理施設も見学。敷地内では、約2年分の汚泥2万5千トンを69張りのテントに保管する。担当者は「放射性物質を含むため民間に引き取り手はない。国の処理施設が整うのを待っている状況だ」と訴えた。(藤村潤平)

(2014年7月29日朝刊掲載)

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