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幻の記録映画 来夏上映 広島市など製作 復興伝える

 広島市は1948年から49年にかけて県などと製作した、復興の実情を伝える記録映画「平和記念都市ひろしま」を、被爆70年の来夏に市内で初上映する。長年、所在不明で地元でも未公開だったが、昨年9月に川崎市が所蔵していたことが判明した。撮影開始から67年を経て「幻の映画」が市民にお披露目される。

 川崎市に寄贈した監督の遺族の意思を尊重し、フィルムは同市市民ミュージアムに保管した上で、広島市が複製。来年7月にも市映像文化ライブラリー(中区)で上映する。28日の市議会総務委員会で市公文書館が説明した。

 映画はモノクロで約20分。当時の広島駅前や本通り商店街の風景のほか、公営住宅などの復興計画案を模型や絵で紹介する。

 当初は「ノー・モア・ヒロシマズ」の題名で48年8月に撮影が始まったが、地元では未公開のまま所在不明となっていた。背景には、資金難と連合国軍総司令部(GHQ)の検閲の問題があったとみられる。市公文書館は「広島の復興の状況が映像で分かる貴重な資料。多くの市民に見てもらいたい」としている。(和多正憲)

(2014年7月29日朝刊掲載)

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