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原爆資料館展示見直し 有識者、本館を議論

■記者 金崎由美

 広島市が大幅改修に着手する原爆資料館(中区)について、展示内容の見直しを助言する有識者の検討会議が27日、中区の広島国際会議場で2回目の会合を開き、本館の展示のあり方を議論した。

 計画では2012年度から順次改修に着手し、本館は最終段階の2017年度にオープンする。本館は被爆の実態をテーマにする方針。被爆直後の惨状の全体像を伝える「8月6日のヒロシマ」と、被爆者や遺族が抱えてきた悲しみや苦しみを刻む「被爆者」の二つのエリアに分ける。

 会合では、広島大原爆放射線医科学研究所の神谷研二所長が「現在の展示は放射線被害、中でも被爆者を最も苦しめている後障害に関する分野が少ない」と指摘。長年にわたり人間に被害をもたらす非人道性を強調するべきだと提言した。

 検討会議は本年度末まで会合を重ね、市はその意見を展示基本設計に反映させる。

(2010年9月28日朝刊掲載)

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