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オノさんとヒロシマ考えた 被爆地の若者が企画し集い

 世界的な芸術家で平和活動家のオノ・ヨーコさん(81)を招き、被爆地の若者が果たすべき役割を考える集い「オノ・ヨーコさんと平和を想う会~被爆70年へヒロシマからの発信~」が30日、広島市中区の広島国際会議場であった。中高生や大学生でつくる実行委員会が企画。約300人が参加し、「平和へ向けた一歩を踏み出す」との共同声明に思いを重ねた。

 オノさんと松井一実広島市長(61)、被爆者の戸田照枝さん(82)=廿日市市、実行委の広島大3年福岡奈織(なお)さん(21)と五日市高3年醍醐真弥さん(18)、中国新聞ジュニアライターで国泰寺中1年藤井志穂さん(12)の6人がパネル討論をした。

 戸田さんは被爆体験を次世代に語り継ぐ大切さを説き、醍醐さんは「被爆した祖父の思いを継ぐ」と述べた。「戦争の恐ろしさを同世代に伝える」「若者が主体となって平和への祈りを重ねる」との表明もあり、松井市長も期待を寄せた。

 討論に先立ち、オノさんは「『オリヅル』は国際的な言葉になった」と話し、会場の若者たちに1羽ずつ折るよう提案。「ヒロシマの経験をあなたたちが世界に伝えて」とエールを送った。五日市高書道部が「希望の路」などと大書するパフォーマンスもあった。

 平和に貢献した現代美術作家に贈られる「ヒロシマ賞」を受けたオノさんに実行委が協力を求め、実現した。中国新聞社と連携して今後1年間、世界からメッセージを募り、専用のホームページで発信する。(奥田美奈子)

(2014年7月31日朝刊掲載)

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