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折り鶴ミュージアム 年度内に展示案提出 広島市検討委が初会合

■記者 金崎由美

 広島市は、平和記念公園(中区)の「原爆の子の像」に世界中から寄せられる折り鶴を保存、展示する「折り鶴ミュージアム(仮称)」の整備検討に乗り出した。30日、有識者で構成するあり方検討委員会が市役所で初会合を開いた。

 委員は、核兵器廃絶をめざすヒロシマの会の森滝春子共同代表や日本折紙博物館(石川県加賀市)の北川路子館長たち8人。委員長に広島女学院の黒瀬真一郎理事長を選んだ。

 秋葉忠利市長は「20、30年分の折り鶴を1カ所で見られる施設がぜひ必要」とあいさつ。委員からは「広島大本部跡地の旧理学部1号館を使ってはどうか」「市外から平和学習に訪れる人と市民の交流の場になればいい」との意見が出た。

 原爆の子の像に寄せられる折り鶴は、年1千万羽以上で約10トンに上る。市は2002年度以降は焼却処分せず、旧日本銀行広島支店(中区)などで保存、展示している。昨年度末時点で約9560万羽、81.2トンに達している。検討委は本年度中にあと3回会合を開き、展示方針や候補地を議論、秋葉市長に報告書を提出する。

 一方で、折り鶴の保存をめぐっては市議会に反対が根強く、折り鶴ミュージアムの本年度の整備検討費も減額された経緯がある。

(2010年10月1日朝刊掲載)

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